講習会の記録 id:264298-02 date:20140724

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 「環境家計簿の取組について(北海道エコ・コンストラクション・イニシアティブ)」  

  講師:国土交通省 北海道開発局 事業振興部 技術管理課 企画係長 西條 克典

 以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。



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中村(司会): つづきまして「環境家計簿の取組について」と題しまして、西條様宜しく御願いします。

現場におけるCO2排出削減量の見える化(環境家計簿)の取組、
北海道エコ・コンストラクション・イニシアティブにつきまして
北海道開発局 技術管理課 西條が説明させていただきます。
よろしくお願いいたします。

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まず、
技術管理課では、どのような業務をしているかと言いますと、工事業務の効率化を図る各向上プロジェクト、工事発注に関しては、標準積算基準書や工事・業務の仕様書策定、労務・資材の単価策定、工事・業務積算システムの構築などを行っています。
工事の施工段階に関しては契約変更の円滑化や設計変更事例集の作成などを行っています。
また、建設システムの向上にかかせない技術的な部分として、CALS/ECやASP、CIM、新技術などをやっていて、また工事の効率化という部分で、エココンや建設副産物対策、コスト構造改革、老朽化対策といった広い部分の事を行っています。

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ではまず、
今日はその中のエココンについてお話します。
正式には「北海道エコ・コンストラクション・イニシアティブ」と言います、
この施策は、平成20年度に閣議決定された「地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画」(7期計)の中で環境施策の先駆的取組を展開する「北海道環境イニシアティブ」を中期的な重点施策として推進しています。
「エココン」は当施策の一環として、循環型社会、自然共生型社会、低炭素型社会の形成への貢献を目的として北海道の特性や地域課題に着目して、工事の実施段階において、受発注者が連携して環境対策を先駆的・実験的に行うものです。
開発局ではこれまで、農地の土壌改良材に汚泥を有効活用したり、すでに標準化されていますが
すきとり物による法面緑化、牛の放牧を活用した堤防除草、浄水汚泥・家畜糞尿を法面緑化材に活用、ホタテ貝殻の有効活用、今日お話しする「環境家計簿」や土砂バンク刈草バンクといった資源バンク、優良工事表彰への環境対策項目の導入などを実施しています。

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では、
環境に関わる北海道の特性としては、産業廃棄物の約50%が動物の糞尿であること、ホタテ貝殻の廃棄量は全国の約90%が北海道であること、1人あたりの二酸化炭素排出量が全国の約1.1倍、産業廃棄物排出量については全国の約2.2倍にもなっています。
北海道が二酸化炭素排出量が全国よりも多いのは都市間距離が長く、移動に車を利用する機会が多いのと、冬場の暖房での灯油の使用が多い事が原因となっています。
建設業でいいますと、全国の最終需要別排出量の約14%が建設業からとなっています。

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次に北海道の建設業の現状です。 建設投資額はピーク時から44%減、建設業許可業者数はピーク時から23%減、就業者数は34%減と依然として厳しい状況となっています。
建設投資額が若干増えつつありますが、順調に増え続けるかどうかは不透明であり注視が必要です。

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就業者数はピーク時から全国で27%減少しています。
北海道は全国と比較して約10%多くなっており、特に厳しい状況となっています。

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次に就業者の年齢構成ですが、見ての通り若年層が占める割合が減っている一方で高齢技術者の割合が増えています。北海道は全国と比較してもその差が大きくなっています。

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こういった事から環境の課題として1人あたりの二酸化炭素排出量が全国よりも多いこと、
建設生産システムの課題として投資額の減少、就業者数の減少、技術者の高齢化が北海道では大きな課題となっています。
しかし、求められる成果や品質は変わらないわけで、実施現場で取組むべきものとしては、低酸素社会への貢献、建設生産システムの効率化・合理化が求められています。
その解決策の一つとして「環境家計簿」の取組や情報化施工、新技術の活用を推進しています。

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では、
今日のテーマの環境家計簿ですが、平成21年度から試行を始めています。
平成25年度は全道426工事で実施しました、
また平成25年度からは受発注者が協議して取組の有無を決める「協議型」を導入し、約81%工事で取組を実施したという結果になりました。
またCO2排出削減量ですが1,901tとなり全道展開した平成23年度から約1.3倍増加となりました、
取組の削減量の内訳を見るとアイドリングストップ、ソーラーパネル、重機車両の適正整備といった取組が多く、
小さい取組の積み重ねですがトータルでは大きな削減となりました。

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平成25年度のアンケート結果では、環境家計簿の取組をすることでコスト縮減効果や安全性の向上など何らかの効果も実感したとの回答もありました。

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それをさらに分析すると何らかの効果を実感した方々の多くは意識が向上したと回答しています、
逆に効果を実感しなかった方々はあまり変化なしという回答が多くなっていました。
ですからこれからの取組としてはCO2削減効果とともに、コスト削減効果や安全性の向上効果といった効果向上のPRもしていこうと考えています。

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コスト削減効果では、アイドリングストップや重機車両の適正整備、省燃費運転講習の実施で軽油の削減によるコスト縮減効果が見られました。
アンケートの自由回答でも、CO2削減による取組がコスト縮減にもつながるとか、現場での意識高揚が図れ、
また燃料削減出来たので原価管理においても有効でしたとか、安全性、経済性も向上するので
今後も継続して取組みたい、会社でも環境家計簿の取組を行っていくようなので、継続していきたいといった意見もありました。

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環境家計簿の概要ですが、すでに取り組まれている方は分かると思います。
初めての方もいると思うので簡単に説明しますがホントに記入は簡単です。
まず取組期間を決めて、削減活動の実施・稼働台数の集計をします。
それを調査表に記入すれば削減量が簡単に出ます。
では実際にやってみます。

⇒環境家計簿の様式は、こちらのWEBサイトから

 環境家計簿調査表(Excel形式970KB)

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また現場での様々な創意工夫によりCO2削減が可能です。
ICT施工やCIM、新技術など技術の活用や厳格な施工管理や機械の大型など施工の工夫などがあります。

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まず、
技術の活用ということで何個か事例を紹介させていただきます。
国交省ではCIMの導入ということで試行をすすめています、
これは3次元モデルを使って、現場の施工状況や完成イメージを3D化しさらに最適な重機の配置や施工台数をシュミレーションをして活用する取組です、例えばある現場で環境に配慮した土砂運搬のシュミレーションを作成し最適なダンプの台数やCO2排出削減量を算出しています。

これをご覧下さい(右上)
これは、ある現場で土砂の現場内運搬を3Dでシミュレーションしたもので、色々なパターンを想定して一番効率的な機種や台数を算出するものです。
それに加えて燃料消費量も検討しています。
このCIMの導入も効率的な施工とともにCO2削減効果として期待できます。

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次に情報化施工です。
これはCO2削減の他に施工効率の向上など建設マネジメントの課題解消にも寄与しています。

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次にASPの活用です。
ASPを使う事でこれまで提出書類の確認や決裁など受注者が事務所への移動の際に出るCO2排出量を削減出来ます。
また検定書類など電子化することでコスト縮減にも寄与しています。
この事例では34kgあった書類が最終的にDVD1枚になったという事例で、
この工事はこれまで「環境家計簿」試行工事ではあまりCO2排出削減効果が少ないと思われていた道路維持工事で実施されています。

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次に施工の工夫ということで重機のハイブリッド化です。
燃料使用量が削減され作業量が多いほど削減効果が高く、多くの現場での導入検討が可能な取り組みです。

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東日本大震災の後、自然エネルギーの活用も積極的に取り組まれています。
これはソーラーパネルの活用です。
この他にも風力電力で現場事務所の電力を確保する事例もありました。

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小さい事ですが、現場作業員の通勤を自動車から自転車に変更する事例です。
宿舎から現場までの距離を検討すれば簡単に取り組めると思います。

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 次に「環境家計簿」の活用ですが、竣工検査で、品質・安全だけでなく環境面でも考慮したというPRが出来ます。
ただ環境対策で創意工夫で評価されるのは現場独自で取り組んだものです。
「環境家計簿」を取り組んだというだけでは評価の対象とはなりません。
また、「環境家計簿」を使えばCO2削減だけでなく、これだけコスト削減出来たという経営コスト削減にも貢献できる資料にもなります。

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北海道開発局のHPでその他の取組事例を紹介しています。

 ⇒このWEBサイトへ

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 ⇒このWEBサイトへ

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ここにこれまで取り組まれてきた事例がありますので、是非見て頂き、自分の現場で出来るものは積極的に活用していただければと思います。
建設業でいいますと、全国の最終需要別排出量の約14%が建設業からとなっています。

 ⇒このWEBサイトへ

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また、環境家計簿を一つのきっかけとして、受注者が率先して取組を実施している地域の紹介です。
これは室蘭開建の苫小牧道路事務所管内で工事を実施している受注者さんのHPで紹介している取組です。。

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またそのHPの中で、取組の結果をグラフで紹介したり、環境家計簿の取組を地元新聞で紹介されたりしています。
この取組はCO2排出削減の意識向上を目的としてますから、こういった一般の方々へのPRもイメージアップのために非常に効果的かと思います。
それでは、今回、10分程ですが日建連で作成している省燃費運転のDVDを一部放映したいと思います。
全体で約20分程あるのですが今回はダンプトラック編の約10分ほど見て頂きたいと思います。

(DVDを視聴)

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今、お見せしたDVDについては、現場教育の目途であればお貸ししますので座学の活用として下さい。
ただ数に限りがありますので早めに言って下さい。
また日建連のHPから購入も可能です。

⇒このWEBサイトへ

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また、今年度、現場で簡単に取り組める事例集を作成しました。
こちらは現場編です、
このデータを印刷して現場事務所に貼っていただき、作業員さんに意識していただけるよう
現場代理人の方々にPRしていただければと思います。

  建設現場におけるCO2削減事例集(PDF形式7.45MB)
   

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こちらは現場事務所編です。
小さい事ですが少しでも気にすることで意識向上の効果に寄与すると思います。
これらのデータはHPの「環境家計簿」のページにありますので現場への周知をお願いします。

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最後に情報提供です。
平成26年6月に経済産業局から省エネルギー型建設機械の導入に対しての補助金制度の情報です。
これはエコカー補助金のようなもので、購入金額に対して上限額300万まで補助が出るというものです。
公募期間は平成26年6月6日から平成27年2月27日までで、予算が終了した時点で終了するようです。
対象機種は油圧ショベル、プルドーザ-及びホイールローダの3機種です。
注意が必要なのは、メーカーから購入して支払いが終了した時点で補助が開始なので分割で購入の場合は注意が必要です。
またリースについては色々なケースが想定されるため、まず製造科学技術センターに問い合わせして欲しいとの事です。

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もし、各現場での取組で積極的にPRしたい事例やHPがありましたら
このアドレスまで連絡ください。

mail
ECOCON_kaihatsu@hkd.mlit.go.jp

中村(司会): 西條様、ご講演ありがとうございました。