講習会の記録 20140807「いまさら聞けないCIM」

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基調講演
「CIMの設計業務におけるASP活用について」~業務履行中の3Dモデルの確認方法~


CALS/ECによる電子納品がルール化され、これにより、更なる成果品の有効な利活用を推進する必要がある。
CIM(Construction Information Modeling/Management)はこれらのCALS/ECの成果と課題から構築されてゆくべきと考え、
CALS/ECの一環をなすASP(情報共有システム)との融合による業務軽減とコスト縮減(高価な3次元CADの購入の回避)について報告する  

キーワード:CIM、ASP、3次元CAD、生産性向上




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凡例
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苫小牧道路事務所の橋本と申します。
「CIMの設計業務におけるASP活用について」と題しまして、
業務履行中の3次元モデルの確認方法とASPの果たす 役割について発表いたします。
◆(0:10)


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★ みなさん、CIMといえば3次元モデルすなわち 3次元CADを思い浮かべることと思います。★
それは、狭義の意味においては、間違いではありません。★
苫小牧道路事務所では、昨年、H25年度のCIM試行対象業務として
既設橋梁の耐震補強設計を2件取り組みました。
1つは、一般国道235号 むかわ町 鵡川大橋、 もう1つは、同じく235号 日高町 波恵橋です。
まず最初に、試行業務で作成した 3次元モデルをご覧いただきます。★
(Videoの表示)◆(0:25)


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(ドーコンビデオ 動画鑑賞  2:00秒)
CIMの試行対象橋梁、手前が一般国道235号鵡川大橋、隣のアーチ橋が同じく235号鵡川橋です。(0:06)
(0:07)3次元モデルは鵡川大橋の橋脚2基が対象ですが、2橋の全景もモデル化しました。
(0:21)こちらの鵡川橋は、昭和29年竣工のローゼ橋です。 (0:31)橋を下から見てみますと、緑と青で着色された添架物の設置状況がよくわかります。
(0:46)通常では見えない基礎部分も斜杭を含めて忠実にモデル化しています。
(0:51)このように見栄えの良さという点では3Dゲームのポリゴンを見ているのと違いはありません。 次に、3次元で可視化することによるメリットを見ていただきます。(1:04)
(1:05)橋脚に追加設置する構造物と既設橋脚の配筋などをモデル化しました。
(1:14)可視化によるメリットは、既設構造物との配筋の取合いや 既設部材との取合いが容易にわかることです。(1:19)
(1:20)しかし、3次元モデルは、作成したモデルに属性情報を付加できることに意味があります。
(1:29)属性情報とは、コンクリートや鉄筋などの形状や寸法、強度、また、 品質管理としてコンクリートの配合や打設日などの情報を付加できるものです。
(1:37)それにより、数量の自動集計を行ったり、
(1:40)鉄筋の干渉している箇所を自動で抽出したり、さらには構造解析などもできます。
(1:49)他にも、仮設計画や施工手順の確認、景観検討など、用途は様々です。
(1:53)このように、属性情報を持たせることこそが、CIMを活用すると いうことであり、3次元だから把握しやすいというだけのものではありません。 ◆2:00


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CIMの広義の目的とは★
国土全てのインフラを属性情報付きの3次元モデルとし、★
★電子的な 「仮想国土」を作りあげることです。 これにより、綿密な維持管理や災害予測が可能に なります。 ◆0:20


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さて、現在 CIMはどこまで進んでいるのでしょうか?★
CADデータを納品する基準として 土木製図基準やCAD製図基準があります。★
2次元CADは2次元の紙図面を電子化したに過ぎず、 比較的受け入れられやすいものです。
★しかし、これらはあくまで2次元用です。
では、★ 3次元モデル用はどうかというと ★
まだ、有りません。
基準がありませんので、
それに対応した3次元CADも存在しません◆0:20


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次に、工事の流れから見てみます。★
3次元モデルによる契約、 施工中の情報共有、 そして、電子納品です。
★これは、CALS/ECの流れと非常に似ています。
★まず、電子入札です。 電子認証による入札システムは、完全に定着しました。★
★次に、施工中の情報共有は、WEBを活用するようになったとはいえ、 業務の効率化につながったとまでは言えません。★
★最後に、電子納品ですがデータの回収という点では一応成功しています。★
CIMに戻ります。 契約と電子納品は無理にでも確立するでしょう。★
しかし、施工中の情報共有については、★CALS/ECと同じ運命ではと危惧します。★
そこで、施工中の3次元モデルをどのように情報共有するか、
また、打合わせや検査時にどのように確認できるのか考えました。 ◆(1:00)


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3次元モデルの閲覧方法には、以下の三つがあげられます。
今回の試行業務で受注コンサルタントが使用した オートディスク社の製品で、100万円くらいになります。
閲覧はもちろん、3次元モデルの作成も可能です。
★二つ目は、 一般公開されている無償ビューアを利用する方法です。 WEBサイトからダウンロードしPCにインストールして利用します。
★最も推奨する三つ目は、 3次元モデルの閲覧機能があるASPを利用する方法です。
例としてあげているCIM-LINKは、3次元モデルの閲覧機能が標準装備されているため、
今回の試行業務でユーザー登録し利用しました。★
ここで、もう1つの対象橋梁である波恵橋の3次元モデルと 干渉チェックについて、ご覧いただきます。★
(Videoの表示)◆0:35


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(中央コンサルタンツビデオ 動画鑑賞  2:00秒)
こちらは一般国道235号波恵橋の3次元モデルです。耐震補強設計において、 立体的な干渉をチェックしました。(0:06)
(0:07)グレーの鉄筋は、既設鉄筋を復元したものです。 緑色は既設のPC桁のシース管です。(0:20)
(0:27)補強後の橋梁モデルです。黄色は追加で補強するRC巻立ての鉄筋です。  オレンジ色は支承補強のパーツです。(0:35)
(0:37)橋脚の干渉チェックです。
(0:46)追加で補強する黄色の鉄筋とグレーの既設鉄筋が干渉していないことがわかります。
(0:56)支承補強の干渉チェックです。
(1:07)オレンジの耐震パーツがグレーの既設鉄筋と干渉していないことがわかります。
(1:10)下から見るとよくわかります。
(1:15)次に縦型緩衝ピンを見ていきます。
(1:23)オレンジの緩衝ピンがブルーで着色された既設鉄筋と干渉して いることがわかります。
二次元図面では表現されない鉄筋径を考慮することで干渉が確認できました。(1:39)
(1:41)下部工沓座鉄筋との干渉チェックです。
オレンジのアンカーが過密なグレーの沓座鉄筋を避けて配置されているのがわかります。(1:50)
このように、既設構造物と補強部材との取合いを確認することは、設計ミスの防止に有効かつ効率的です。 ◆2:00


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こちらは、シムリンクです。★
ASPにアップロードされた3次元モデルデータを、ダウンロードせずに
一覧からクリックするだけで直接開くことができます。
また、アプリのインストールは不要です。
では、シムリンクの3Dモデルをご覧下さい。
★ (Videoの表示)◆0:20


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(中央コンサルタンツビデオ 動画鑑賞  20秒)
このように面で構成されたものは、 なめらかに回転させることができます。
一方、複雑な配筋画面では、 通信速度等に大きく影響され、
画像の荒さが目立ち、動きも鈍くなりがちです。
もっとも、通信技術の進歩により 将来的には問題ないと思われます。 ◆0:20


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次に、打合せ及び検査時における3次元モデルの見せ方についてです。

2次元CADは、紙図面を電子化したに過ぎないため、
紙面による机上説明が成り立ちますが、 3次元CADを紙面化した場合、

このような莫大な数の画像を出力することが必要になるため、
コンサルにとっては大きな負担になってしまいます。


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そもそも、3次元の長所は、
自由な視点、回転、透過により、全体から細部まで把握出来ることです。★



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そのため、ディスプレイ上での 直接表示は必須であり、それに応じた職場環境の整備も必要です。★
また、対面形式ならば、タブレットが有効です。
ただし、セキュリティ上の問題から、現時点では難しいので、
将来的に発展があると思っています。 ◆0:40


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続いて、ASPについてです。★
発注者から見て、現場の進行状況が確認出来る工事に比べ、 業務は進捗状況が見えにくいものです。
★そこで 試行業務では、ASP活用による“見える”化を試みました。
★まず、ASPによる電子決裁の完全実施。★
共有の掲示板で意見交換をオープンにし、 業務の進捗状況を写真付きブログでリアルタイムに報告してもらいました。
★その結果、★
試行業務の進捗と熟成度をあげることができ★
受注者の創意工夫や工程管理などの 通常見えない部分が見えるようになりました。
★そして、評価に正確性と客観性がプラスされました。 ◆0:55


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今後、CIMを活用することにより、 業務設計と工事施工の連携が重要であるとの認識から、
★デザインビルドのような発注形態が注目され、 業務も工事も発注ロットは大型化すると考えられます。★
そして、3次元モデルに精通したコンサルは、施工に大きくかかわることになり、 職域が拡大すると考えます。
たとえば、現場で計測をしたとします。★ 3次元モデルの修正を行うために現場はコンサルへデータを送ります。★
それを受けて、コンサルは3次元モデルを作成し現場へ伝えます。 あるいは、★現場から監督員に3次元モデルを提出します。
★伝える手段は、やはり、メールでしょうか?
3次元モデルは★メールで送信できる容量ではありません。
また、3次元モデルを毎回PDFに変換する手間も大変ですし、 そもそも3次元の意味がありません。
★これらの問題はASPを活用することにより解決できます。
今後、★3次元モデルをASP内で開き、 電子ペンで画面に直接朱書きできるようになっていくと思われます。◆1:05


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一方で、問題点もあります。
★今回の試行業務では、使用したASPの機能不足もあり、
電子決裁用とCIM用で、2つのASPサービスを 使用しなければならなかったことが一つ。
★二つ目は、かなり以前から、複数のASPを活用する監督員などから
別々にログインするのが大変、といったASPの互換性への強い要望があり、★
ベンダーは互換性の開発に四苦八苦していることです。★
しかし、ベンダーが一つに合併しない限り 完全互換は無理です。★
それよりも業務効率化の将来を見据えて
3次元モデル閲覧機能の提供、 解析機能などの提供、 属性情報を活用した施工、維持管理への発展に注力すべきである。
と提言し、発表を終わらせていただきます。◆0:30 。


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以上で終わります。 ご清聴ありがとうございました。

平成25年度 CIMの設計業務におけるASP活用について ―業務履行中の3Dモデルの確認方法と業務検査―