講習会の記録 id:274787-02

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 「伝える現場写真の撮り方」 1/3 工事現場と緊急時

 講師:国土交通省 北海道開発局 函館開発建設部 工務課 開発専門官 橋本 忠幸

 以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。なお、オリジナルデータの提供は予定しておりません。

▼講習のパワーポイントが89ページの大作であるため、3分割してあります。

「伝える現場写真の撮り方」1/3 工事現場と緊急時

「伝える現場写真の撮り方」2/3 イベントと構図の基礎知識

「伝える現場写真の撮り方」3/3 おまけ

▼関連情報

「10分読むだけで10倍上達する カメラテクニック」 2010/08/19

「10倍上達したあなたへの カメラ基礎知識」 2010/08/19

「イベント写真の撮り方」 2012/10/02

「単発カメラ講座

「望遠鏡の選び方と遊び方

「イベント写真を上手に掲載するための10のテクニック

「おまけ写真館

 (徐々に講師からのその他資料を追加中です。)


20141007公開

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本資料をWebに掲載するにあたり、 インターネットから流用した写真、
その他、掲載に問題があると判断した部分 については、大きく加工を施しております。

ご了承願います。

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皆さま、お忙しいところお集まり頂き、ありがとうございます。
今日は「伝える現場写真の撮り方」について、2時間弱のお話をさせて頂きます。
長時間話を聞いても、集中力が無くなっていくことと思いますので、
最初に大事な話をし、後半は「マメ知識」くらいの情報にしましたので、
気楽にお聞き下さい。

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ご紹介頂きましたように、 私は函館開建の本部工務課で防災専門官をしております。

中山課長とは北見道路時代に一緒で お世話になったお返しに、
ドップリとカメラの世界へお誘いしました。

今日は、コンテスト写真ではなく、現場写真の撮り方ですので、
「悪い写真を撮らない」だけで十分です。
イベントで良い写真が撮れれば、中山課長のご機嫌も良くなる、ということで本題へ。

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まず、大前提として、 管理の悪い現場では、絶対に良い写真は撮れません。
写真はどこかしらに何かが映り込みます。
監督員の言う「良い写真」は 映り込みなどまで含めた言葉だということが、
直ぐにお分かりいただけると思います。

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まずは、日ごろ、監督員が撮影している写真から選んでみました。
これは官用車で移動中に撮影した、過積載の写真ですね。


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確かに、車止めとしては申し分ありませんが、 決して格好良くはありません。
ついでですが、
車止めは通行路側で 「やってますよ!」アピールすることをお勧めします。

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サポートが折れているのは当然ですが、
他にもいろいろとダメですね。

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こんなイタい写真も出てきました。

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上部工事の写真です。
個人的には、上部工事の安全管理って、
おしなべて感心しません。

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これは、まだ「おしい」ほうの写真で、
転倒・転落対策はされていますが、
ここが物置場になっている表示がなく、
おき方も雑ですね。

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これもよく見る光景ですが、
やはり、発注者としては、この人の転落対策がないのは いただけません。
っていうか、コールドジョイントじゃないか?
と疑われる写真ですね。

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まずは、膨大な検定写真から選りすぐった「残念な写真」をまとめてみました。
検定書類にダメな写真がついているということは
「なにがダメなのか分からず施工している」ということですので、
これは非常にゆゆしき事態です!
どうか、日ごろからこういう現場になっていないよう、管理してください。

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ここからは、実際に検定を受けた竣工写真から 抜粋した写真たちです。
どれも、「よく、この状態を撮影したな」とか
「よりにもよって、なぜ、この写真を選んだのか?」
と首をかしげてしまいますが、
少なくとも、 この状況を異常と思っていないんですね。
同じ工事から似たような写真が何枚も出てきます。

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作業過程としてはわからなくもないですが、
何も、この写真を選ばなくても…

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これに至っては、白いモヤとかピントがどうの、っていうより、
何を撮りたかったのかまったく意図がわかりません。

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これは、着工前の写真ですが、
このような竣工写真を散見するのも事実です。

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別途、「作業日、その場に有資格者がいた」 とわかる、
きちんとした写真を別途残しておかなければなりませんが、
往々にして、このような作業状況写真しかないのが実態です。

《補足》品質証明員や社内検査員も個人が特定できるように工夫して撮ることが必要です。

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特に北方では、ある日突然根雪になることがあり、
時機を逸するとこんな写真しか撮れなくなってしまいます。
天気予報はよく見ておこう、という教訓写真ですね。

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悪い写真なら、検定書類にない方がまだマシです。
ツッコまれたら、そのとき考えましょう。
あと、参考までに、デジタルノギスなどで検定を受けたり、
検定写真を撮っていたりする現場を散見します。
規制するつもりもありませんが、
これらは殆ど JISをもっていない「便利グッズ」ですので、
その点だけ認識して下さい。

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上手に撮影するための一般的テクニックはこちらで、
恐らく、①②④は「わかっているけどうまくできない」 ことだと思いますが、
素人写真の多くは ③の「水平」が疎かになっているものです。
工事写真で水平でないから困ることは確かに少ないですが、
特に完成写真のほとんどは「静止物」ですので、
水平に気を付けるだけで、印象が大きく変わりますので、
撮影時にほんの少し、気を付けてほしいです。
しかも、これだけは何の知識も訓練もなく、
今日からすぐに実践できる業ですので、ぜひ、覚えていってください。

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先の話にもあったとおり、 1枚しか写真を撮らないと、
それがNGだったときに リカバリー不能になってしまいます。
検定の時にも、「ちがう角度からの写真が見たかった」 といわれたことがあると思います。
ちょっと多めに撮っておくことが保険につながります。

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大抵、目的の物を撮るのに一所懸命で、
一緒に映り込んでしまった物まで意識が向きません。
先にも紹介したように、危険作業をしていたり、
現場環境が適切でなかった証拠が映り込んでいることが多々ありますので、
必ずそういう意識も持って、一度写真を確認して頂きたいです。
特に、若い人に写真を撮らせていると、
そういう知見が足りないかもしれません。
ベテランのご指導をお願いします。

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暗い場所では三脚を、という話ですが、
この「暗い」という感覚が違っていることが多々あります。
昼間であっても、部屋の中ではカメラにとっては暗い環境ですし、
夜、十分に電気をつけた室内も、かなり暗い環境です。
そういう所で、手持ちでまともな写真を撮ることは 不可能だと思って下さい。
特に現場では静止物を撮ることが多いでしょうから、
安物でも良いので、三脚を使用するだけでかなり改善されるはずです。

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とはいっても、三脚なんて持って歩けないのが実情でしょう。
一脚というのもあり、慣れればかなり有効です。
また、壁でも電柱でも良いので、体をしっかり預けて撮影してください。
鞄や機材などにカメラを載せて撮影するのも良い手です。
その際に「セルフタイマー」を活用すると、完全に手振れを防ぐことが出来ます。

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ある現場から写真を数枚用意しました。
こういう現場は、写真の1枚1枚、
撮影時にも、選定時にも気が配られているのが 眺めているだけでよくわかります。
もちろん、現場も常に模範的に仕上がっております。
ここで、昼の撮影なのに、フラッシュしていることが、 トラチョッキの輝きでわかると思います。
これについては、後ほど解説いたします。

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同じ現場の写真ですが、素晴らしいですね!
写真をつるにはかなり暗い環境ですが、
振れもなく、計測者の安全対策もバッチリで、 非の打ちどころがありません。
これが、検定用の写真ではなく、
常日頃、こういう作業を行っている点が、
この現場の本当の意味で素晴らしいところです。

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既設ボックスの上を盛土する場合など、
往々にして「元から壊れていたのか?」
「盛土の施工が悪くて壊れたのか?」 というトラブルに遭遇します。
事前協議が一番ですが、とにかく証拠写真を残しておけば
自分たちの正当性を証明出来ることも多くあると思います。
見本は、土取場の舗装が最初からこの程度壊れていた、
という証拠の写真ですね。

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さて、現場の写真は若手職員に任せきりの代理人さんも多いかもしれませんが、
災害現場となれば、かなりフットワーク良く対応しなければなりません。
電話でチマチマ説明するより、1枚の写真を送った方が数倍状況が良く伝わります。
これは「良い写真であれば」という前提付なので、 これから言うポイントを上手く押さえて、
説得力のある写真を送りましょう!
今回は、落石災害を例に、お話を進めていきます。

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落石を発見しました。時間優先です。
監督員へ、一枚だけ、どの写真を送りますか?

A 大きさがわかる落石のアップ
B 法面からの抜け落ち箇所がわかる横断方向
C おおよその場所がイメージできる全景

Aだと思う方挙手を、
Bだと思う方
Cだと思う方

正解はCです。

監督員が第一報で1枚だけ欲しいのはCです!

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なぜ、Cの写真なのか説明します。

監督員が第一報で知りたいことは二つ!★
ひとつは、 第3者被害の有無です?  これが無しであれば監督員は一安心です。
なお、判断がつかないなら「不明」で報告します。★

もうひとつは、 場所は何処か?です。
落石の大小や個数、法面の何処から落ちたとかは、
二の次で 通行止めすることに変わりはないわけです。
もう監督員の頭の中は、時間外なら職員の誰に助けを求めようか、
通行止めの区間の確定と迂回路をどうするかがすべてで、
頭の中がいっぱいになります。★

なので、 道路の線形、照明柱、民家、背景の山など、
場所がイメージできる背景が入った写真が一枚あればよいのです。◆

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第一報の鉄則です。★

基本は、電話より写メが先!です。
電話の方が先ではないのかと、思うかもしれませんが、
撮って15秒以内に写メを完了させるならロスにもならないとうことです。
仮に、電話を先にかけたとしても、 監督員から 「それは何処?」、
「とにかく写真を送って」と言われて、結局は時間をロスします。
電話が先か写メが先かの判断は、臨場にいる皆さんの判断におまかせします。★

写真は1枚だけ送る!
送信のスピードを優先しますから、一枚のみデータサイズもVGA程度にするのがよいです。
落石のアップや、抜け落ちた位置のわかる横断的な写真は、別送信で追って送くってください。★

写メしたら、すかさず電話!
写真を見ながら話すことで、位置の確定と齟齬が防止できます。★

通信可能エリアは、施工計画書に添付
落石の発生場所が、電波の不感地帯であることも想定しなければなりません。
電波状況の悪いエリアでも、どこどこの擁壁の上からだと通信できるとか施工計画書に明記。
土地に精通しているところを見せる機会です。
また、これは、将来的な年維持の現場代理人を育成するためのノウハウを引き継ぐことにもなります。◆

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この写真を見て、 最初に何処に目がいきますか?
やっぱり、このNTTの鉄塔でしょうか。
会場の方はみんな、苫小牧の明野付近だと気がつきます。
人間は、写真を見たときに、それが何処の場所なのか探ろうとする習性があるということです。★

話しをもどします。
例えば、ポットホールの記録とか、苦情で街路樹の剪定が必要とか通常時の写真であっても
何処かわかるような写真は必ず一枚は撮って下さい。
その時のポイントですが、 ベストは当然キロポストですが、
このようにポットホールの真横にあるのは希です。★

なので、ランドマークになるようなもの、店舗の看板や、
郊外地なら山でも良いですから場所を特定する手がかりを入れて撮影することです。★
そうすると、スカイラインは間違いなく入って、★
下向きの写真にはならないはずです。◆

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受け手はとにかく「状況」が知りたいのです。
それを伝えることができる写真は「アップ」ではなく「引き」です。
「この写真で何を伝えたいか?説明したいのか?」
ということをしっかりと考えて撮影しなければなりません。
闇雲に撮っても、送信データが重くなるばかりです。

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次ぎに初めてアップの写真がモノを言います。
落ちた物、落ちた場所、発生源など。
こちらを一番に送られても、状況が分かりません。

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さて、これらをどう撮影するかですが、 見てる人が「あたり」を付けられる写真がベストです。
例えば、石のアップだけ送られてきても、 対比する物がなければ大きさが分かりません。
土砂崩れの引きの写真に、電柱が写っていれば、 大凡の高さや延長を推測することが出来ます。

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これが忘れがちです!!
数日にわたり通行規制などが生じる場合には、 定点写真が必ず求められますし、
後から「そのくらい、当然撮ってるよね!?」という温度で言われます。
撮る場所はスプレーや木杭などで、決めてしまいましょう!
撮影者が代わる場合には、ラミネートした写真などを用意しておき、
「同じ写真を撮れ!」と具体的に指導する必要があります。
これは担当事務所の監督員が気を利かせ、本部と調整しておきましょう。

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「写真・写真」と言われる方もしんどいでしょうが、
待ってる方も歯がゆいのが実情で、こんな状況にはヤキモキします。
まず、ピントが合っていない! 技術的問題ですが、よくあります。
これも、「数枚撮影」する事で、かなり回避出来るミスです。
次に、定時に届かない! 電話も写真も途切れると怒られます。
現場の方はそれどころじゃないのでしょうが、待ってる側には重要な問題なので、
そういう人員を作ることが必要です。
そして、来る写真が全然イメージと違うと、怒りが頂点に達します!!
まずは「撮る側」の意識の問題。
ただ漠然と撮っていてはダメで、「何を説明したいのか」考えて撮影しましょう。
依頼する側も、「わかるしょ?」ではなく、具体的にお願いしましょう。
最後に、待ちに待ったあげく、写真が届きすぎ、ということもあります。
監督員が「3枚程度ちょうだい」と言うのに対して、20枚も送る必要はありません。
サクッと、3枚、多くても5枚送るくらい、「選ぶ目」を養いましょう。


このつづき