講習会の記録 [280513-02]

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「今日から使えるGIS」

 講師:北海道道路エンジニアリング株式会社 副技師長 佐藤 崇(さとう たかし) 技術士(建設部門 建設分野)

 以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。


20141111公開

PowerPoint PAGE-01  画像はクリックすると拡大します。

佐藤:
御紹介いただきました 北海道道路エンジニアリング株式会社 事業企画部の佐藤と申します。
今年度(平成26年度)、苫小牧道路事務所さんから発注していただきました「一般国道234号 安平町 交通安全対策検討業務」の管理技術者としてお世話になっております。
当業務の内、安平町の交通安全対策で「安平町」、「地元自治会」との協議を進めているなかで、様々な資料を作成しております。
協議に同行していただいております、中山計画課長から、「GISソフト使って資料作成してみたらどう?」とお声掛けいただいたのがきっかけでございます。
実は、中山課長からお声掛けいただくまでは、「え?GIS?」、「無理無理、出来ない」と思っておりましたが、簡単な資料つくりであれば、意外と楽に使えるようになりました。
本日は、「今日から使えるGIS」といいう題目でお話させていただきますが、お集まりいただきました皆様にも「GIS」について身近に触れられるようになりましょう!ということをテーマに 一緒に勉強させて頂ければと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します。

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本日の内容でございます。

1.本講習の目的
2.わかりやすい資料を作成するために
3.GISの動向
4.GISを導入してみましょう
5.活用した事例の紹介
6.まとめ

上記の内容で進めさせていただきたいと思います。

なお、本講習の内容につきましては、URDOのHPに後日UPされますので、
この場でメモ等をお取りにならなくても大丈夫ですのでゆっくりお聞きいただければと思います。
【以下、PPT作成に合わせて修正】

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1.本講習の目的です。
 GISに身近に触れるにあたって、基本事項が3つございます。
「かっこいい」、「かんたん」、「ただ」 この3つを基本として考えております。
では、目的はと言いますと「まずはGISを使ってみること」です。
私もつい最近まで「GISなんて無理だよ」、「難しそうだし」、「よくわからないし」、「教えてくれる人いないし」、「会社で高額なソフト買ってなんて言えないし」、「そもそも実務でそんな時間がない!」と 思っておりましたが、実際に触れてみると、思ってたよりハードルが低かった、という感想です。
ですから、本日お集まりいただいた皆様の中でGISに苦手意識などお持ちでしたら、是非この機会にGISに触れてみましょうと!と言うのが本講習の目的でございます。

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2.わかりやすい資料を作成するために

【背景】
皆様,実務をされているなかで少なからずプレゼンテーションをされる機会があるかと思います。
たとえば,初回の打合せとか検定とかありますよね。
その際,必ず資料を作ると思います。
皆様一生懸命にお仕事されておられますから、その結果を評定点向上につながると、意欲も向上すると思います。 プレゼンテーションも少し力を入れてみるのも必要かと思います。
そのためには,視覚的に伝わる「わかりやすい資料」が必要になるのではないでしょうか?

【課題】
皆様お忙しいですから、時間が掛かるものでは意味がありません。
また,ソフト購入などに経費がかからにことばベストです。

【解決策?】
この課題を「GISソフト(フリー版)」で解決できるかも?というわけでございます。

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3.GIS動向

ここで,皆様すでに御存知かも知れませんが、【おさらい】です。
GISって? (Geographic Information System)ですね、名称はよく耳にされると思います。
国土地理院では
地理情報システム(GIS)は、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。 と書いております。
GISの普及は,1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災がきっかけとなっております。
その際,復旧作業にGISが大変役に立ったということで重要性が認識されました。
その後,2012に地理空間情報活用基本計画は 閣議決定されております。
建設業に携わる皆様には、今後,避けては通れない分野になるではないか?と思われます。


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GISのイメージ

つぎにGISのイメージについてです。
右側のイメージ図は国土交通省 国土政策局のHP(http://www.gis.go.jp/contents/whatisgis.html)から拝借いたしました。
簡単に言えば、地理情報の重ね合せです。
航空写真などの基盤的地図データに道路・構造物などの基盤地図を重ねたり、防災施設の分布、老朽木造住宅の分布、一人暮らし高齢者の分布など、様々なデータを重ねることができます。
そのうち、本講習会では赤枠で囲っている範囲を対象としています。

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CIMについて

つぎにCIMについてです。
正直、私も良く理解していません。ですが、調べてみますと、なんとなく今後の動向がわかってきました。
2011年 土木学会建設マネジメント委員会の公共調達シンポジウムの基調講演「BIMからCIMへ」がCIM導入のきかっけになっております。 いろいろ書いておりますが、端的に言いますと、「現場の生産性を向上させる」、「全体的な考え方、維持管理までを考えた導入」を目指そうと、すでに建設業界が動き始めています。
私が思ところ、「CIM」を導入する意義」としては、ここにも書いておりますが、「現場の生産性を向上させよう」ということは大変重要なキーワードではないかと考えております。

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現場の生産性向上について、少しだけ考えてみたいと思います。
私の主観でありますが、われわれ建設業に携わる立場として、ここに挙げる3点に着目してみました。
・情報共有・・・社員の皆様で情報共有できていますでしょうか?
似たようなお仕事をされていることはないでしょうか?そんな資料作っていたなら、こんな残業しなくて済んだのに・・・etc
・質の向上・・・地元で建設業をされておられる方であれば、「この地域のことは、我が社にお任せください!」と胸を張って仕事をされておられます。
 地域の精通度をいかにアピールするか?これが付加価値だと思います。
・技術継承・・・近年は土木離れと言われておりますが、数少ない志がある若者にいかに魅力的に技術を継承するか?
これは、私たちの使命の一つではないでしょうか?

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4.GISを導入してみましょう

前置きが少し長くなりましたが、ここでGISの導入方法について御説明したいと思います。
代表するGISのソフトとして、【QGIS】と【ArcGIS】がございます。
実は、私が実際にソフトをインストールして使用してみたのは、ここ2週間です。
両方、使用してみました結果、「ArcGIS」より「QGIS」の方が様々なデータを無料で取り入れることができました。
そのため、本講習会では、QGISを使用して御説明したいと思います。

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簡単ではございますが、ソフトの違いによるメリット・デメリットを御説明いたします。
ここで示した内容は、あくまで初めてGISのソフトに触れた私が感じたことを記載しておりますので、
既に使用されている方からすると、解決できる問題があるかもしれません。
その際は、こっそり私に教えてください。

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先ほど、国土数値情報というキーワードがありました。
何の情報なんだろう?という話題です。
小学校、中学校、病院、警察・・・・・ 書ききれないほどのデータが利用できるダウンロードサービスが整備されております。
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/
このデータを有意義に利用することにより、作業の効率化を図ることが可能になります。
効率化が図れた事例は、後ほど御説明いたします。

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インストール

検索エンジンで「qgis」と入力していただくと、このような検索結果になると思います。

ダウンロードサイトに入ると次のような画面になります。

http://www.qgis.org/ja/site/forusers/download.html

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インストール

ダウンロードサイトに入ると次のような画面になります。 おそらく、Windowsを利用されている方が多いと思いますが、32bit、64bitいずれかお使いのPCに合わせてインストールしてください。

▼ここからダウンロード出来ます。
QGISのダウンロード

ここから先については、細かい設定作業になりますので、本講習内では割愛させていただきますが、
後日HPに簡単なマニュアルをUP致しますので そちらを参照していただけますよう宜しくお願い致します。

▼ここから設定作業の簡単なマニュアルへ
しばらくおまちください。現在工事中です。


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5.活用した事例の紹介

弊社で本年度受注した設計業務の中で、地元協議をする際に現在のバスルートを示す資料を作成しました。
実は、これは、イラストレーターを使用して作成しております。
どのように作成したかと言いますと、病院の名称、位置を調べ、バス停箇所をグーグルストリートなどで調べたうえ、 一つ一つ手作業で落としたものです。 おおよその位置などは合っていると思いますが、精度は劣っていると思います。
何より、作業時間がそれなりにかかっています。
この資料で約2日費やしております。

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こちらは、QGISを使用した資料図です。
どうような資料が作成できることがわかりました。
問題は作業時間です。先程、イラストレーターで2日かかっていたものが、2時間でここまで作成できております。
いま、ご覧いただいた資料は、弊社の設計業務で使用した資料内容ですので、
次に今回お集まりいただいた皆様が作成する「施工計画書」をイメージしたサンプルを作成してみました。

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赤色のハッチングは、携帯電話の不感エリアを表示させてみました。
このエリアは任意で記入したものです。

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ここまで拡大しますと、室蘭開発建設部浦河道路事務所や小学校、病院などが表示されているのがわかります。
また、青いラインが見えると思いますが、これは通学路指定路線を想定して任意で描いたものです。
このように、任意で情報を追加できることができるため、 施工計画書をイメージすると、
例えば、 鹿などロードキルの箇所、
除雪重点区間の箇所、
防災点検箇所、
緊急時通行止めのゲート位置、
緊急避難場所の位置
挙げればキリがないと思いますが、施工計画書に付与したい情報はほとんど表現できることになります。
しかも、一つのファイルにレイヤー化することができるので、表示・非表示が容易に出来ます。
では、実際にQGISを起動した状態で今御覧いただいた資料図を確認してみたいと思います。

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この図は、浦河町の浦河赤十字病院近くの図面ですが、
例えば、この周辺で病院・学校などがあり、除雪の重点区間として資料図を作成したい場合、
基盤データを入力しておけば、あとは、ワードやエクセルなどに貼り付けてオートシェープで旗上げすれば
簡単に資料図が完成できます。

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【適宜説明】
 先ほど、広域の図面から詳細の図面を御覧いただきましたが、入力するデータは一つです。
このように表示されるエリアが変わるだけです。
 ここで先程、お見せしたバス路線のエリアについても見てみたいと思います。
高齢者の人口分布エリアを表示させることも可能です。
現在すでに高齢化社会と言われている時代ですから、何か検討を行う際に、
このようなデータを活用することも可能になります。

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【適宜説明】
 ここで、冒頭で紹介したもう一つのソフト「ArcGIS」を起動して違いを見てみたいと思います。
操作性だけに着目すると、スムーズに操作できることと、簡単にライン作図できることがお分かり頂けると思います。
ただし、フリー版における各種基盤データの汎用性とかについては、QGISの方が優位性があるのではないかと感じています。

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6.まとめ
 そろそろまとめに入りたいと思います。
・国土数値情報を一度設定してしまえば、作業が軽減できます。
 資料を作成するたびに、学校、病院、などの施設データを落とし込む必要がなくなります。
・地域特有の情報を任意で付加できる  皆様の担当される地域で、特有の情報がそれぞれあると思います。
これらを任意で付加できます。
 これは冒頭で申し上げましたが、地元で建設業をされておられる方であれば、
 「この地域のことは、我が社にお任せください!」と地域の精通度をアピールすることができ、質の向上につながると思います。
・社内で情報共有できる  一つのファイルを社員全員で共有すれば、無限大に情報を追加できます。
・技術継承ができる(担い手育成に寄与)  GIS関連など興味をもっている若者も多いと思います。
土木離れと言われておりますが、このようなツールを活用して興味を持ってもらい、
 ひいては技術継承に寄与できるのではないでしょうか?
・最後に「かっこいい」「かんたん」「ただ」 GISに触れてみようと思っていただけましたか?
 これまで私がお話ししたことが、きっかけとなってGISに触れていただけると幸いです。
私もつい最近にGISを勉強し始めたばかりで、これからもう少し勉強していきたいと考えております。
 その他、本日サンプルで浦河町の資料を作成してみましたが、御興味をお持ちいただいた方で、 私宛に御連絡いただければ、後日、担当地域のサンプルデータを作成して御提供させていただきたいと思います。

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