講習会の記録 id:280513-04

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「すばやくつくろう工事完成平面図」[作成編][電子納品編]

講師:株式会社タナカコンサルタント 技術3部 板垣 陽子(いたがき ようこ) CALS/ECインストラクター
講師:川田テクノシステム株式会社 札幌営業所 塩手 健介(しおて けんすけ) CALS/ECインストラクター

 以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。
なお、オリジナルデータの提供は予定しておりません。


20141109公開

PowerPoint PAGE-01 画像はクリックすると拡大します。

【あいさつ&自己紹介】

【はじめに】
道路工事完成図のうち、平面図の作成時に疑問となりやすいと思われる箇所を中心に、
これまでに私のところに寄せられた質問なども含め、自身の経験からお話できることをQ&A形式にまとめてみました。
本講習で使用しますPowerPointの資料は、Uradoサイトのトップページにリンクがありますので、そちらをご覧いただければと思います。
なお、事前のプログラムのお知らせでは、
【作成編】と【電子納品編】に分けてご案内をしておりましたが、
完成平面図の電子納品に関する質問について、事前のリサーチでそれほど収集できなかったため、 大変恐縮ですが【作成編】の中に電子納品に関連する事項を含む形での講習となりますことをご了承いただけますよう、お願い申し上げます。
そして、本講習の後半で、
完成図専用CADの操作の実演をごらんいただく場面がございますが、
こちらは、専用CADのメーカーである川田テクノシステムさんの札幌営業所から、塩手様にご担当いただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
この講習の内容が、日々のお仕事のなかで使えそうな何かしらのヒントとなりましたら幸いです。

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改良および舗装工事での完成平面図作成プロセス 【完成平面図を外注する場合の流れ】

まず、完成平面図の作成に関しては、外注さんにお願いする場合と、請負者さんが自前で描かれる場合とがあると思います。

今回は、発注図を請負者さんが工事平面図として仕上げたのち、外注さんに完成平面図としての仕上げをお願いする、 といった流れにて質問を設定しております。

工事の着工からしゅん工にいたるまでのあいだ、誰が主体となってどんな作業をするのか? そしてどの工程において、どんな疑問が発生しやすいのか?を、

▼こちらの表にまとめてみました。(画像では無くテキストが活きたページです。)
改良・舗装工事における 工事完成平面図作成プロセス 【工事完成図を外注する場合の流れ】

では、この流れに沿って、質問のひとつひとつを解説していきたいと思います。

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Q1. 完成平面図を外注するんだけど、いつ頼めばいい?
   完成形状が決まる頃(工期後半)のほうがいいの?

完成平面図の作成を外注さんにお願いするタイミングのお話です。
「現場が動くうちは図の変更が頻繁だから、完成形状が決まってからでないと実際の作業には入れないよね?しゅん工図が固まってから、図面一式を送るね~」 ・・・といったように、すべての材料が揃ってから作業を始める場合があります。
事実、完成形状が確定するのに工期ぎりぎりまでかかる場合もあります。
ただ、そのような場合でも、あらかじめ手を入れておける作業が結構あるのです。
工事の受注にあたり、初回打ち合わせにて発注者から資料一式を受け取られると思いますが、この時点で作成に不足している資料があることに気付いて借用を願い出れば、それを使って先行できる作業があるのです。
ですので、受注後すぐに外注さんに発注図一式を見てもらうのが良いと思います。不足している資料があったり、図面の中に疑問等があれば指摘してくれるはずです。
それにより、追加で必要となる作業があるとわかれば、発注者に設計変更等の対応もして貰いやすいと思います。
また、外注さんがSXF技術者やCALS/ECインストラクターなどの資格をお持ちであれば、作成に関することのみならず、電子納品に関する事柄にも詳しいと思いますので、疑問に思われる点などはどんどん質問してみると良いでしょう。
Web【SXF技術者】【CALS/EC資格制度】こんなのです 今回の講習内容では、申し訳ありませんが道路施設基本データに関しては触れません(私自身に作成経験と知識がない)ので、MICHIデータも合わせて外注する場合は、先ほど申し上げたような資格をお持ちの外注先、できれば経験豊富なところにお願いするのが良いと思います。

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Q2.外注さんが「平面図の中に、XY座標に関する情報がないので描けない」って。座標値は何から拾えばいいの?

外注さんに、「この材料だけでは、完成平面図を作成するのに不足があります」と言われた場合のお話です。
①通常、改良工事とそれに付随する舗装工事では、事業を開始する際に測量を行っているはずです。測量と設計を行っている場合は、平面図のなかに、基準点成果表や道路境界幅杭の成果表、平面線形の曲線表などがあらかじめ描かれているのが普通です。
このような項目がもし平面図に含まれていないような場合は、用地平面図からその情報を転記する必要があります。 PDF【用地図とは・・・】こんなのです この図面は、開建本部の用地課で整備し、管理しています。これのコピーをください、と監督職員さんにお願いしてください。
②そして、このとき一緒に道路基準点(別名:距離標)の成果と位置図も貰うようにしてください。このあと詳しく説明しますが、道路基準点の情報に関しては、国土交通省が専用のWebサイトで提供しています。ここからもほぼ同じものがダウンロードできるのですが、ひとつだけ、道路基準点の設置されている位置図だけ入手できません。 この位置図に関しては、発注者のみがアクセスできるページから、発注者のみがDLできるようになっています。ので、位置図は監督職員さんから借用することになります。
■そしてよく問い合わせのある、「薄層オーバーレイ工事では完成平面図を作成するの?しないの?」についてですが、これまではオーバーレイ工事では作成していなかったと思います。が、今後ちょっと動きがあるかもしれません。某筋によりますと、つい先日(2014年11月)、オーバーレイ工事でも作成する旨の事務連絡があったようです。 薄層オーバーレイや簡易な舗装修繕工事においては、完成平面図の作成について監督職員さんに確認してください。

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先ほどお話しました用地図を借りる際に、注意していただきたい点があります。

工事延長・・・工事該当区間の前後にあるIPも含めて借りるようにしてください。
用地図には、その図面の中に描かれているIPの曲線表のみが記載されているケースが多いようです。
こちらに示した図のような場合、用地図1枚の中に工事延長がすっぽり納まるような場合でも、その前後にあるIPの座標や角度がわからないと作図できないのです。
工事区間の道路が長い直線であるような場合はともかく、平面線形が単曲線やクロソイドを伴うような場合は、必ず前後のIPも含めて用地図を借りるようにしてください。


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続いて、先ほど申し上げました道路基準点に関するお話です。
国土交通省で、道路基準点案内システム(http://www.road-refpoint.jp/)
というサイトを用意しており、
道路基準点の測量成果をダウンロードできるようになっています。

Web【道路基準点案内システム】に移動
→このようにして閲覧・DLができます。

そして、先ほども申し上げましたが、道路基準点が設置されている位置を示す位置図については、 監督職員さんがこちらから入手することになります。
一般の方は入れません。

先ほどご覧いただいた、設置時の写真でもおよその見当は付きますが、位置図があれば確実ですし、国総研の方も説明会で「必ず発注者さんから借りてください」とおっしゃっていますので、そのようにしていただくようお願いいたします。

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Q3. XY座標がないと描けないってどういうこと?
 発注図のCADデータをそのまま使えばいいんじゃないの?

完成平面図の作成において、座標情報がなぜ重要とされるのでしょうか?

工事平面図のCADデータをいじったことのある方は経験しておられると思いますが、 測量や設計段階において、平面図が画面の中で回転して表示されているのをごらんになったことがあるのではないかと思います。
CAD【平面図を表示】 私たちが図面を描く場合、このように、道路の進行方向に向けて左から右へ水平に配置して描くのが普通です。文字を配置するにも、寸法線を記入するのにも、このようなポジションで作業しますよね?
しかし、平面図のCADファイルを最初にひらいたとき、初期画面がこのように表示されるのを見たことはありませんか? 真っ黒な画面の隅っこに、小さくなって図形が表示される、こんな状態です。
これは、図形がCADの座標設定に対応して配置されているためです。 測地座標とCADの座標を同じものと想定して描きますと、ここがX,Y=0,0となり、実際のXY座標と同じ値の位置に図形があるため、こんなに小さく表示されるのです。
このように、CADの座標の設定が実際の測地座標と一致していれば、ここに書かれている地形や道路などが、日本の・・・というか地球上のどの位置にあるのか、を示していることになります(正しくは、平面直角座標系の何系か、という情報もセットで必要ですが)。
図面ファイルそのものに座標が設定されていれば、ここに描かれている排水ます、この中心の座標を読むと・・・X=-XX,XXX.XXX、Y=X,XXX.XXXとなっていますね。
地球上のこの座標には、この排水ますが存在しています、という意味になるのです。 この空間のこの範囲には道路が存在します。この座標に存在するのは○○橋です。ということを、平面図そのものが表現できる、というわけです。

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Q4.日々の進捗状況を各種の平面図に反映させてるけど、 種類がたくさんあるから大変。ファイルが1つなら楽なのに…

工事が始まりますと、毎日現場が動くなかで、施設の位置を変更することになったり、法面の形状が変わることになったりと、いろいろな変更が生じてきます。
それに従って、各種ある平面図も変更することになると思います。
改良工事やそれに伴う舗装工事では、さまざまな種類の平面図が必要です。
私が見たことのあるものですと、 作工平面図、 排水系統図、 区画線工展開図、路面標示詳細図、 標識配置平面図、 視線誘導標配置図、 機器・配管配線平面図 などがありました。
これらの平面図は、設計段階では一つの平面図のなかに全てを描き入れて、それぞれの施設の配置を確認しながら作図するのが一般的です。それぞれの施設を別々のレイヤで描き、レイヤのon、offを切り替えて、表示させたり表示させなかったりする場合もあります。
そして最終段階において、必要なレイヤだけを表示させて各種の平面図を作りあげる、といった具合です。
発注図として受け取ったこれらのような各種平面図を、同一の点を基準にして重ねてみて、道路や地形等をあらわす線がぴったりと重なるようでしたら、一つの平面図から起こした図面であると推測できます。
このように一つの平面図にまとめてしまって、その平面図ファイルだけに手を入れれば良いようにすると、各種平面図の間に不整合や施設の干渉箇所などが発生しづらくなります。
最終的に、各種の平面図ファイルに分ける必要が出てきますけれども、図面間での変更漏れを防ぐという点においては、有効な手段であると思います。
ただし、これをするには、先ほど申し上げたとおり、同一の平面図から起こされた図でないといけません。
特に、工事区間の平面線形に単曲線やクロソイド区間が含まれる場合、平面線形を直線に展開しなおした図になっている場合があります。
これですと、工事平面図に重ね合わせることができません。(展開図にしてあるということの意味が、作業性を考えてのことなのか、それとも別の理由があるのか、恥ずかしながら不勉強でわからないのですが)展開図である場合は、工事平面図への反映の際に、かなりの作業時間が必要になります。

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Q5.工事平面図に他の図をどんどん重ねてみたら、旗揚げの線や文字が重なってすごいことに… どうしたらいい?

工事平面図に各種平面図の最終形を反映させる際、図をどんどん重ねていくと、各種施設の旗揚げが重なり合ってしまう場合が多いと思います。
CAD【重ねてみたらこうなった・・・】
ちなみに、前のQ.4で申し上げたような形、一つの平面図から各種の平面図を生み出せるような方法をとっていれば、その段階で旗揚げの位置も決めて作図できますので、このような事態にはなりません。
そのような方法をとれなかった場合は、平面図の絵の部分、ここの部分の整合はもちろんですが、旗揚げの配置もしなおす必要があります。
このような場合、私はこんな風に作業をしております。
CAD【道路の中心線を基準にしてオフセット~】
ご覧いただいたように、この作業自体、CADの操作に慣れた方でもかなり時間のかかるものとなります。
もし、今のような作業が、自分の手には負えないわ・・・と思われるようなら、図を重ねて整合のチェックまでを行い、旗揚げ配置の作業は外注さんにおまかせしたほうがよいかもしれません。
なお、この後で紹介します、完成平面図の専用CADのなかには、旗揚げを配置するための便利なコマンドがあります。
CADメーカーによっては、汎用のCADにはない、後載せのオプションコマンドとして実装できる場合もあります。
このようなCADを持っているところでしたら、比較的スムーズに旗揚げ作業を終えることができると思います。

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Q6. 発注図に描いてある座標値・・・測地系が新旧どちらなのか確かめるにはどうしたらいい?

ここからは、工事平面図を完成平面図へと仕上げにかかる段階となります。
外注さんが工事平面図の最終形を受け取った場合、一番最初にする作業が、測地系の確認です。もし、受け取った平面図が旧測地系で描かれている場合は、全ての座標を新測地系に変換する必要があるからです。
Web【測地系の新・旧とは】 ※『日本測地系2000』という言葉について説明
①旧測地系から新測地系への移行は、測量業務等においては平成14年から始まっていますので、今現在、発注者から借りることのできる資料については、基本的に新測地系であるはずです。新測地系で業務を行っている場合は、成果表の欄外に『世界測地系』と書いてあります。が、たまに何らかの事情により旧測地系のままのものも見かけますので、必ず、作業の前に確認するのが良いと思います。
②というわけで、では、手っ取り早く確認するにはどうするのか?です。
CAD【サンプル平面図】
平面図の中の、この点の平面直角座標は、成果表によるとこのような数値です。 とりあえずこの点の座標を、緯度経度に換算してみましょう。
Web【測量計算サイト】
X,Y座標を入力して、計算実行を押すと、緯度経度の値に換算されます。そして換算した緯度経度に該当する箇所に、このような表示、マークが出ます。 このマークの位置と、もとの平面図の点の位置を見比べると・・・ほぼ合致しますね。ゆえに、これは現行の測地系、新測地系である。ということになります。 もし、これが旧測地系の座標であれば、北海道においては、南東の方向へおよそ400m程度ずれた位置に、このマークが表示されるはずです。
③今ご覧いただいたのは、1点のみの計算でしたが、複数の点を新旧変換するには、地理院が提供するTKY2JGDというソフトウェアを利用します。測量用のCADにはこの機能が付いていると思います。 また、厚真町から東の地域については、2003年の十勝沖地震の影響を受けていますので、いわゆる地震補正、PatchJGDによる補正も必要となります。

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測量計算サイト と ソフトウェアのDLページ(国土地理院)

▼Web版『緯度経度への換算』 )
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/surveycalc/xy2blf.html

CAD上の任意の図形(ここではブリンカーライトを表す円)の中心座標を確認し、座標値の入力欄に記入します。
座標系番号を選択し、『計算実行』を押すと、地理院地図上の該当点にマークが表示されます。

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測量計算サイト と ソフトウェアのDLページ(国土地理院)

▼Web上で実行する測量計算のサイト。
緯度経度への換算 で、平面直角座標を緯度経度に換算できます。
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/main.html

▼TKY2JGDやPatchJGDなどをダウンロードできるサイト。
パラメータファイルも必要です。
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/program.html

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Q7.平面図に座標情報がないので、用地図のコピーを貰ってきた。用地図から何を転記すればいいの?

用地図に描かれている情報のうち、完成平面図に記載するものは
①3級以上の基準点とその成果表
⇒4級基準点は、記載の必要はありません。
②管理境界幅杭とその成果表
⇒管理境界の幅杭標を、座標に従って図の中に記入し、境界線で結びます。
③筆界線と地番とその所有者名を記入します。工事延長に該当する区域の筆界線を、座標入力ではなくトレースします。
筆界線の成果表は不要です。
筆界線を、座標入力ではなくトレースする理由についてですが、道路管理図に記載する筆界線に精度は必要ないからです。
道路敷地と近接する民地の、だいたいの形状と地番と所有者の名前がわかれば良いのです。
地名については、市町村合併後の地名をいれてください。
用地図を作成した時期にもよりますが、多少古いものですと平成の大合併前の地名のままになっているものもあります。

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詳しくは、道路工事完成図作成要領(北海道版) をご覧下さい。

①3級以上の基準点成果表

②管理境界幅杭標と成果表

③筆界線、地番、所有者名

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Q8.監督職員さんによると、
SP=0はKP=5,563.28とのこと。数字を書き換えればいいんだよね?

通常、工事に関連する図はすべてSP(工事測点)に基づいて作成されています。
ただし、完成平面図に関しては、KP(管理測点)で作成する必要があります。
ゆえに、工事平面図のSP表記は最終的にKP表記へ書き換えることになります。
ここで注意が必要なのは、道路中心線の測点をあらわす○(円図形)の位置も含めて書き換える必要がある、ということです。
たとえば、SP=2,600の位置にある円図形の上には、『2,600』という文字が配置されているはずです。
この2,600という文字を、『51,031.96』に修正するだけではだめですよ、という意味です。
KPで測点を配置し直さなければいけません。
旗揚げに書いてあるSP値も、KP表記に直します。縦断勾配表の数値も同様です。

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Q9.外注さんの話では「この発注図のCADデータ、問題が多くて加工に時間がかかるんです」と。ぱっと見た感じ、普通のCADデータなんだけど・・・どこが問題なの?

完成平面図の作成において、主要な作業のひとつである属性付け。
これを行うための準備として、道路面や法面などの領域をハッチングをします。
この作業を行うにあたり、道路面などの領域をあらわす線分をすべて隙間なくつなぎ、完全に閉じた領域をつくる必要があります。 完成平面図として電子納品されたCADデータは、その後コンバータを経てGISデータへと変換されますが、図形がきちんと閉じていないと変換することができません。
①この平面図CADデータ・・・設計段階でごく普通に、きちんと作成されたものですが、法面のこの部分を拡大してみましょう。 ぐいぐいと限界まで画面拡大しますと、微妙にここが離れているのがおわかりになると思います。ためしにこのすきまの長さをはかってみると、0.000と表示されます。(表示精度を上げて少数点以下の桁数を増やしてみたら、0.00000468mmでした)これはもう取るに足らない誤差といいますか、隙間ともいえないレベルですが、それでも繋がっていないということで『領域が閉じていないためハッチングできません』と言われてしまうのです。
②あと、同一要素が幾重にも重なっている状態のCADデータをたまに見かけますが、これもハッチング作成時に困ることになります。これも拡大してみると・・・同一形状の図形が微妙にずれて重なっています。このように最大限に拡大して初めてわかる微妙なズレや重なりは、普通に作図をするレベルの画面拡大率だと全く気付きません。
このような問題があると、ハッチング作成の絶対条件である『閉じた図形』の作成のため、端点同士をつなぐだけの作業に多くの時間を費やすことになります。

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隣り合う要素の端点同士が離れている 。

円弧の左側の端点と 線分の右側の端点が 一致していません。
ここをつなげないと、 ハッチングを作成できません。

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同一要素が幾重にも重なっている

複数の同一形状の図形が 微妙にズレつつ重なっています。
閉じたい領域の要素指定の際に難儀します。

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Q10. 属性付与作業って、専用のCADでないと出来ないの?
普段使ってるCADでやろうとしても難しい?

属性付け作業を、専用CADを使わずに行うことは、おそらく現実的ではないと思います。
理論上は可能でしょうが、SAFファイルの中身(属性についてXML形式で記述したもの)を自力で書く気には私はなれません。
作成要領の策定と同時に専用CADも実用可能であったことを考えれば、実質、専用CADがなければ作成は困難であると言っても差し支えないでしょう。
2014年10月現在、これら3本のCADが、工事完成図の専用CADとしてOCF検定に合格し、認証を得ています。
これらのCADの購入と同時に、別途保守契約を結べば、作成していて困った時にサポートしてもらえるので安心です。私も何度かお世話になっています。

▼ OCFの『道路基盤地図情報交換属性セット検定』合格CAD http://www.ocf.or.jp/kentei/soft_ichiran.shtml

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Q11.チェックプログラムで出る【確認】ってなんなの?
【エラー】と同様にゼロにしないとだめなの?

チェックプログラムで出る【確認】のメッセージのうち、どうしても解消しようのない、道路の形状によっては必ず出てしまうものがあります。ここに示したケースは、その代表となるものです。
道路面同士は基本的に、重なり合ってはいけないし、隙間なく接していなければなりませんが、高規格道路などのランプ部分ではその前提が覆される箇所があります。
本線の下をランプがくぐるような場合や、ランプがカーブを描いて本線から離れていく箇所などでは、【確認】のメッセージが出てしまいますが、誤りではありません。

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Q12. 【エラー】E33006がどうしても消えない。ハッチングはできてるのに、図形が開いてしまう原因はなんだろう?

閉じた領域、閉合図形を作れなくて困ったことが過去に何度かありました。問題の箇所を最大限に拡大表示して、端点同士をぴったりつなげているのに、ハッチングしようとすると『領域が閉じていないためハッチングできません』と言われてしまうのです。
私の経験上のお話ですが、この現象は、円弧同士の端点が接する箇所や、円弧の端点とポリライン(連続線または折線とも言う)の端点が接する箇所で起こりやすいようです。
平面線形にクロソイドが含まれる場合、工事完成平面図では直線と円弧しか使えませんので、クロソイド区間は短い線分をつなげた折線で表現することになります。
道路中心線を構成する円や直線をすべてつないで一本の連続線とし、それをオフセット複写して、中央分離帯(島)や歩車道境界線、法肩や法尻の線を描いていくわけですが、このときに、意図しないところで何故か微小な隙間ができたり、接合点が解けたりする場合があるようです。
必ず発生するとは限らないのですが、私の記憶にあるのは、中央分離帯の先端・・・ブリンカーライトやクッションドラムが置かれるような箇所です。特に、右折車線が設けられているためにそこだけ分離帯の幅が狭く、先端の半円部分の半径が小さくなっているようなところが顕著でした。
あと、盛土区間の下を町道や市道がBOXカルバートでくぐる場合に、BOXの翼壁に盛土法面がRを巻いてぶつかるような箇所。法尻の線が半径の大きな円弧で描かれていると、巻きのR部分の円弧とつなげても開きやすいことがありました。 このような場合は、円弧と円弧の間に短い直線をはさんでつなぐと、うまく閉じることができます。道路面同士はぴったり隙間なく接する必要があるため、この回避策を多用すると別のエラーが出てしまうことがありますので注意が必要ですが、法面の形状については道路面ほどシビアな作図は必要ないため、この方法で回避していただければと思います。

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Q13.『追加チェックプログラム』が出たって聞いたけど・・・ なにそれ?

2014年10月、国総研の道路工事完成図等作成支援サイトで公開された追加のチェックプログラムです。既存のチェックプログラムでのチェック後、これも使うことになります。 これまで目視で確認していた項目の一部を、これで自動的にチェックできるとのことです。

2014年10月以降しゅん工となる工事に適用するようですが、先月の全道の説明会では、「使用方法など詳細についてはまだ本局に通達が来ていないため、後日監督職員の方からお知らせします」とのアナウンスがされておりました。

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Q14.『全データの最終チェック』で【確認】W50001が大量に出た。平面図を個別チェックした時は出なかったのに?

チェックプログラムの『個別データのチェック』において完成平面図のみをチェックする場合に、『設定』の項目のひとつに『座標範囲』を入力する箇所があります。ここに記入した座標範囲のなかに、作成した完成平面図の属性付き図形がすべておさまっていれば、【確認】W50001が出ることはありません。
対して、チェックプログラムの『全データの最終チェック』では、電子納品の工事管理ファイルに記入した『境界座標情報』をチェックプログラムが読み取ります。同じく座標範囲のなかに属性付き図形がおさまっていればW50001は出ないのです。
個別チェックで出なかったのに全データチェックでは出た、ということは、工事管理ファイルに記入した座標範囲のほうが狭かったか、もしくは、複数工区あるうちの1つの工区の座標範囲だけを入力したためではないかと思われます。
このメッセージが大量に出るとさすがにちょっと見栄えがよろしくないですから、座標範囲を広めにとって入力しておくのが良いと思います。

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Q15.電子納品チェックシステム最新版のVer8.2でチェックしたら、レイヤ名のエラーが増えたような・・・ Ver.8.1でチェックしたときには出なかったエラーなんだけど?

電子納品チェックシステムの最新バージョンに、ちょっと不具合があるようです。
詳細については、電子納品に関する要領・基準のQ&Aページにありますので、疑問に思っておられた方はCH-319を見ていただくとスッキリすると思います。
2014年内に改修する予定とのことですので、それほど気にする必要はないかも知れません。

◆おわり◆


今日から使えるGIS_23

今日から使えるGIS_24