講習会の記録

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 軟弱地盤上における盛土施工

 講師:株式会社ドーコン環境事業本部 地質部 担当次長 小林 修司 技術士(建設部門 土質及び基礎、地質調査技師

 以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。なお、オリジナルデータの提供は予定しておりません。


20150514公開

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株式会社ドーコン環境事業本部地質部小林と申します。

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◆発表内容は以下の通りです
第1章 軟弱地盤の概念
第2章 軟弱地盤上の構造物の被害例
第3章 軟弱地盤の調査・試験法
第4章 軟弱地盤解析の概要
第5章 軟弱地盤の対策工
第6章 対策工の事例

◆スライドは、たくさん用意しましたが、
30分では 説明しきれないので、途中割愛させて頂きますが、
後で内容をご覧ください。

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・第1章 軟弱地盤の概要

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◆軟弱地盤は一般に、粘土やシルト等の微細な粒子を主体とする土、間隙の大きな有機質土や泥炭、および緩い砂などからなる土層によって構成されている。

◆これらの土層の性質は、堆積が新しく地下水位が高いほど、
また、土被り圧などの過去の履歴による作用を受けていない場合ほど、粘性土地盤では沈下やすべり破壊、砂質地盤では地震時の液状化が問題となる軟弱地盤を形成する。

◆軟弱地盤の分布地を地形的に分類すると、図-1.1の軟弱地盤の分布と成層例に示すように、
主として、①おぼれ谷,②後背湿地, ③谷、④三角州低地,⑤埋立地、⑥自然堤防や⑦海岸砂州に沿う地域に大別される。

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◆北海道においては、軟弱地盤の代表として、図-1.2に示すように、約2,000Km2もの範囲に泥炭層が分布している。

◆代表的な地域として、札幌市に位置する石狩泥炭地、道北のサロベツ泥炭地、道東の釧路湿原泥炭地、別寒辺牛泥炭地がある。

◆泥炭とは、写真-1.1のように“枯れて腐った植物”が積み重なってできたもので構成されてます。

◆盛土を構築すると沈下量が大きく、せん断強度が小さい性質を示すものがほとんどで、土構造物やその他構造物を構築する場合において、対策工は必須となっています。


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第2章軟弱地盤上の構造物の被害例

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◆軟弱地盤上で発生する問題点としては、大きく4つがあります。
   1)・・・,2)・・・,3)・・・,4)・・・

◆軟弱地盤上に盛土やその他構造物を構築する場合、対策をしないで施工した場合、次のような被害が報告されている。

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沈下による道路の凹凸
・図-2.1に道路盛土による沈下状況に示すように、軟弱な粘性土地盤に盛土を行うと、
①圧密変形、②塑性変形、③側方流動、④引き込み沈下、⑤隆起が発生する。

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◆写真2.1は道路の沈下による路面の凹凸事例

◆軟弱な地盤に何も対策をしないで道路を建設した現場で、軟弱層厚,沈下速度の違いにより路面が波を打ったような状態になった例です。

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◆写真2.2もまた、軟弱地盤上の道路の凹凸の事例で、

◆ボックスカルバートのような道路構造物がある部分では地盤改良をしているために沈下は発生しないが、その他の区間については沈下が長期に続くために起こった事例です。
※対策として、ボックスカルバート部分の凸状の部分を切ってレベリングした。このとき、ボックスカルバートの土被り厚が変わるので、ボックスカルバートについては構造計算でチェックしている。

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(2)道路盛土のすべり破壊
◆図-2.2に道路盛土のすべり破壊のモデル図です。
◆軟弱地盤上に急速に盛土した場合、その荷重を地盤のせん断抵抗が支えきれず、盛土が地盤と伴に円弧状にすべり崩壊してしまうことがあります。

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◆写真2.3は、道路盛土建設中に発生した大規模な盛土のすべり破壊の例です。

◆これは、施工工期を長く確保できないことから、盛土施工を急速に行ってしまい、間隙水圧の増加によって、期待していた地盤の強度の増加が追いつかず崩壊に至ってしまった。

◆緩速載荷工法による施工速度を守って、動態観測(沈下管理・安定管理)を行うことで防げた可能性がある。

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(3) 橋梁工の側方移動

◆図2.3は、橋梁工の橋台背面盛土の沈下により、基礎杭に流動力が作用して、橋台が前傾してしまう現象で、側方移動と呼ばれています。

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◆写真2.4は、側方移動により桁とパラペットが密着してしまった例です。

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◆橋台の側方移動の機構について説明します。

◆軟弱地盤上に、杭基礎を伴う橋台を施工して、その後盛土を行った場合に...

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◆盛土は沈下し、地盤は側方へと流動していきます。

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◆さらに、流動した地盤が杭を押して

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◆杭頭や橋台が変位してしまいます。

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◆写真2.5は、札幌市内の泥炭地盤上に建てられた住宅が、沈下の作用により傾いた例である。

◆住宅内の荷重の大きい方に建物は傾いた。

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(5)道路横断ボックスカルバート部の路面の変状

◆写真2.6は、道路横断ボックスカルバート部の沈下差による路面の凸型の変状している。

◆ボックスカルバートが杭基礎により沈下を抑止されているため、周辺道路の沈下に追随できず、凸状に盛り上がった状態となっている。

◆車両の通行時にジャンプする状態となる。非常に走行性が悪い。

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◆道路横断構造物による路面の凸型変状の機構

◆ボックス部は杭基礎によって支持されているため沈下はしない。

◆ただし、ボックス前後の盛土は無対策のため沈下します。

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(6)拡幅盛土による現道部の引き込み沈下による路面の変状

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◆写真右側が、現道です。

◆写真左側が拡幅盛土を行っている状況です。
載荷盛土が沈下して現道にもクラックや沈下が発生しています。


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写真 2.8 拡幅盛土による現道部の引き込み沈下(月形大橋)

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写真を模式図で表したものです。

◆写真左側が、現道です。

◆写真右側が拡幅盛土を行っている状況です。載荷盛土が沈下して現道にもクラックや沈下が発生している。

◆雨が溜まったり、除雪がうまくできず、さらには交通安全上の障害となる

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第3章 軟弱地盤の対策工
   地盤調査試験および土質試験結果による軟弱地盤解析により、
 ① 非常に大きな沈下が発生する
 ② 地盤がすべり破壊を起こす可能性が大きい
 ③ 沈下の終了に長い年月が必要となる
 ④ 周辺地盤への沈下・隆起・水平変位の影響がある などの結果となった場合、対策工法が必要になる。 

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◆この対策工法については、表3.1に示すような様々な方法があり、
その目的や効果,施工性,工期および経済性などを考慮して最適な工法を選定することになります。
◆次に、赤枠部分の対策工の事例を説明いたします。

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(1) 代表的な対策工の事例として、 サンドマット工法 (表層処理工法)
(2) 押え盛土工法
(3) 盛土補強工法
(4) 載荷重工法 (サ-チャージ工法)
(5) 圧密促進工法 (バーチカルドレーン工法)
(6) 固結工法 (浅層・中層混合処理工法、深層混合処理工法)
(7) 軽量盛土工法  (EPS工法、FCB工法)

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【サンドマットの役割】
・盛土施工の際の施工機械の走行性の確保
・軟弱層が圧縮するときに絞り出される水の排水層

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【押え盛土工法】
◆道路本体盛土の横に低めの盛土をしてすべり破壊を防止する工法
◆用地に余裕がなければ採用できない工法

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【盛土補強工法】
◆補強材(ジオテキスタイルや金網)を盛土下に敷設し引張り抵抗により盛土のすべり安定の向上を図る工法
◆無対策時のすべり安全率Fs=1.0以上を要するが、施工費は安い

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【載荷重工法】
◆計画高より多めの盛土をして沈下させる工法
◆沈下の収束まで時間がかかるが、工事費は安く済む

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【圧密促進工法(バーチカルドレーン)】
◆地盤に排水材料(ドレーン材料)を打設し、排水距離を短縮して圧密を促進させる工法
◆近年泥炭性軟弱地盤においても実績が増加、施工費は安い

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【固結工法】
◆地盤中にセメント等の固化材を投入し地盤を固結させることで沈下および変形の抑制、支持力の増大を図る工法
◆他の軟弱地盤対策工と比較して施工費は高い

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【浅層・中層混合処理工法(パワーブレンダー工法、ツインブレードミキシング工法)】  
◆改良深度10m以浅を対象  
◆ベースマシンはバックホウを使用、工事費は深層混合処理工法より安価

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【深層混合処理工法】
◆改良深度10m以深を対象
◆施工実績が高い、ベースマシンが大型、施工費が高い

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【EPS工法】
◆盛土の代わりに発泡スチロールを積み上げて沈下やすべり破壊を抑制する工法
◆非常に軽いので、かなりの高さまで積み上げても沈下や破壊が生じない
◆施工は容易であるので、緊急を要する場合には最適な工法
◆EPS自体が高価なため、施工費が高くなる

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【FCB工法】→すべり安定対策、沈下対策、側方移動対策
◆原料土(砂質土),セメント,水に気泡を混合したもの または
 原料土を除いたセメント,水に気泡だけを混合した気泡混合軽量土を用いた軽量盛土工法
◆沈下やすべり破壊、側方移動を抑制する工法
◆気泡混合軽量土は流動性があり
◆EPS工法よりも、施工費は安い

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第4章 盛土施工管理の方法と実態

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動態観測の目
1)盛土のすべりによる危険性の有無
2)載荷盛土の除去時期
3)残留沈下量の予知とその対策
4)盛土による周辺地域の沈下または隆起による第三者への被害の予知と対策

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動態観測の例

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沈下板

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地すべり計

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地すべり計と変位杭

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地すべり計と変位杭

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伸縮計

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層別沈下計

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動態観測計器一式

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動態観測の頻度

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代表的な安定管理法
沈下量(S)と水平変位量δ/沈下量Sの関係を用いる方法(松尾・川村の方法)

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代表的な安定管理法
水平変位量δの時間的変位に注目する方法 (栗原・高橋の方法)

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沈下観測例(1)

良好な計測結果であり、双曲線法でも最終沈下量が比較的精度良く推定できる。

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沈下観測例(2)

各層の最初は計測しているが、放置期間の間は計測せずそのままの値を記録している。
双曲線法が適用できない

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沈下観測例(3)
各層の最初は計測しているが、放置期間の間は計測せずそのままの値を記録している。
双曲線法が適用できない。

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ご静聴ありがとうございました