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いなかのCIMとGIS

「GISとCIMを身近に活用しよう!」

 講師:北海道道路エンジニアリング株式会社 設計部 技師 須甲 麻希 (すこう まき)

 以下の資料は、受講者の技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意により提供いただいたものです。


20171225公開

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北海道道路エンジニアリング株式会社 設計部の須甲と申します。
 本日は、GISを活用しよう!という題目でお話させていただきますが、実は私もGISにつきましては、ほぼ初心者でして 2年前の中山課長の業務でGISを知り、こんなに便利なものがあるんだと感じましたので、ここでお伝えできればなと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。


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本日の内容でございます。
1.目的
2.わかりやすい資料を作成するために
3.GISの動向
4.GISを活用してみましょう
5.活用した事例の紹介
6.まとめ
以上の内容で進めさせていただきたいと思います。

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1 目的
GISを活用するにあたっての基本事項があります。
それは、見栄えが良くて、簡単にできて、お金がかからない、この3つです。
では、目的はと言いますと「まずは、GISを使ってみることです。」
 私も始めは「GISなんて無理だよ」、
「難しそうだし」、
「会社で高額なソフト買ってなんて言えないし」、
「そもそも実務でそんな時間がない」と思っておりましたが、
実際に触れてみると、 思ってたよりハードルが低かった、という感想です。

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2 わかりやすい資料を作成するために
こちらも目的のような感じとなりますが、 背景といたしまして、業務や工事を行なっていく上で “評定点をあげたい”“住民や関係機関への資料をわかりやすくしたい” と皆さんも想っていると思います。
そのような資料を作る課題といたしまして “時間をかけずにわかりやすい資料を作ること” “ソフト購入などの経費を抑えること” があると思います。
この課題を「GISソフト(フリー版)」で解決できるのではないか?
ということでございます。

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3-1GISの動向
ここで、皆さん既にご存知と思いますが、【おさらい】です。
GISって?
 (ジオグラフィック  インフォメーション  システム)ですね、
名前はよく耳にされると思います。 国土地理院では・・・・・「      」と書いております。
GISの普及は、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災がきっかけとなっております。
その際、復旧作業にGISが大変役に立ったということで重要性が認識されました。
その後、2012年に地理空間情報活用基本計画が閣議決定されております。
建設業に携わる皆様には、今後、避けては通れない分野になるではないかと思われます。

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3-2GISイメージ
 つぎにGISのイメージについてです。 右側のイメージ図は国土交通省 国土政策局のHPから拝借いたしました。
簡単に言えば、地理情報の重ね合せです。
航空写真などの基盤地図データに道路・建物などの基盤地図を重ねたり、 防災施設の分布、老朽木造住宅の分布、一人暮らし高齢者の分布など、 様々なデータを重ねることができます。

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3-3CIMについて
つぎにCIMについてです。
国土交通省は、平成29年3月にCIM導入ガイドライン(案)を公表しております。
その中で、土工・河川・ダム・橋梁・トンネルの5項目に適用しております。 CIMモデルを作成し、調査・測量・設計→施工(着手前)→施工(完成時)→維持・管理までを、一連で行うことが目標となっております。 CIMによる情報化施工により、現場での生産性の向上、作業の効率化、担い手不足の解消、品質の向上など、多くのことが期待されております。
実際の効果といたしましては、
 ・ICT土工による起工~完成検査までの時間短縮効果が、従来工法に比べて平均26%短縮されています。
 ・また、3D設計データの活用による土工数量算出の自動化や、ICT建設機械による施工の安全性向上などが 国土交通省より報告されております。

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3-4現場生産性向上とは?
現場の生産性向上について、少しだけ考えてみたいと思います。 私の主観でありますが、建設業に携わる立場として、ここに挙げる3点に着目してみました。 ・情報共有・・・  社員の皆様で情報共有できていますでしょうか?似たようなお仕事をされていることはないでしょうか?  そんな資料作っていたなら、こんな残業しなくて済んだのに・・・etc ・質の向上・・・  地元で建設業をされておられる方であれば、「この地域のことは、我が社にお任せください!」と胸を張って仕事をされていらっしゃると思います。  地域の精通度をいかにアピールするか?これが付加価値だと思います。 ・技術継承・・・  近年は土木離れと言われておりますが、数少ない“こころざし”がある若者にどのようにして技術を継承するか?  これは、私たち建設業に携わる者の使命ではないでしょうか?

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4-1GISを活用してみましょう
では実際にGISを活用していくうえで、主に2つの基本データがあります。
1つ目といたしまして、統計データなどがあります。  国土交通省の国土数値情報 ダウンロードサービスでは、様々な統計データが開示されているため、  簡単にデータを入手し、GISに活用することが可能となっております。  また、ロードキルや防災点検個所など、オリジナルで作成したデータもGISで活用することができますし、  直接GISないにプロットすることも可能です。
2つ目といたしまして、基盤地図データなどがあります。  国土地理院の国土基盤数値情報 ダウンロードサービスより、国内すべての地形などを無償でダウンロードできます。  このデータは基盤地図情報ビューアで シェープファイルに変換することで、簡単にGISに取り込むことが可能となります。  また、三次元測量などのオリジナルデータもGISで使用することができます。 このような基本データを簡単に重ね合わせて、視覚的に“見える化”を図ることでGISを活用できます。

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4-2QGIS(1)
GISには、フリーソフトであるQGISと有料ソフトとしてArcGISなどがあります。
ここでは、フリーソフトであるQGISをご紹介いたします。

QGISの特徴といたしましては、
・色々なファイル形式や座標系に対応しておりますので、互換性が優れています。
・標準の機能で、解析なども行う事可能です。
・機能の拡張も可能ですので、“自分がやりたいこと”は大抵可能となります。
・簡単で便利に使用できるのに、お金のかからないフリーソフトです。

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4-2QGIS(2)
建設業に限らず、環境などの他分野ともGISを介することにより、情報共有や情報の一元化が可能となります。
写真の説明といたしましては、 帯広畜産大学の浅利先生もQGISユーザであることがわかり、『キロポストでロードキルデータをもらってもその後の処理はたいへん』 ということから 11/22に帯広畜産大学_総合研究棟Ⅱ号館3階浅利ラボにて、ロードキルの情報共有についての打合せを行いました。
産・官からのQGISを活用したデータの提供により、学の研究に役立てもらえればと思います。 まずは、産・学の連携を継続させていきたいと考えております。

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4-3QGISのダウンロード
フリーソフトのQGISは、QGISと検索してもらえれば、
このような画面がでますので、こちらからダウンロードしてください。

▼土木技術者向けのインストール手順はこちらを参考にしてください
http://urado.dousetsu.com/363_qgis.html

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4-4国土数値情報
こちらが国土交通省より提供されている、国土数値情報になります。
DIDや緊急輸送道路などのシェープファイルが入手できます。
こちらも検索するとすぐに出てまいります。

▼リンク
国土数値情報ダウンロードサービス - GISポータルサイト - 国土交通省

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4-5基盤地図情報
こちらが国土地理院より提供されている、基盤地図情報になります。
地形や建物・標高などのデータを入手することができます。
こちらのファイルは、圧縮ファイルでのダウンロードとなりますので、先ほども少し触れましたが、 基盤地図情報ビューアで シェープファイルに変換することで、簡単にGISに取り込むことが可能となります。
こちらも検索するとすぐに出てまいります。


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4-6道路基準点案内システム
こちらが国土交通省より提供されている、道路基準点案内システムになります。
一般国道における キロポスト の緯度・経度・標高を入手することができます。
こちらも検索するとすぐに出てまいります。

▼リンク
道路基準点案内システム

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5-1活用事例
では、実際に活用した事例です。 使用したデータは、DID・キロポストデータ・オルソ画像です。
DIDは、工事施工時や積算などで必要となる項目で、
 キロポスト と共に 地図上に落とすことにより、一目でわかるものとなります。
作業時間としては15分程度でできます。
また、一度作成し保存しておくと、ほかの業務でも利用することが可能です。

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5-2活用事例
こちらは、先程もお話ししましたが、ロードキルのオリジナルデータを作成しQGISに取り込んだ結果です。
また、特定外来種もオリジナルデータです。
この地図により、どこでロードキルが、どのくらい発生しているかや、特定外来種の生息域も 一目でわかるようになっております。
ここで出ている、シカのアイコンに関しましては、イラストレーターにて作成し取り込んだものです。

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5-2活用事例
アドビイラストレーターは高くて導入が難しい場合、インクスケープというフリーソフトがあります。
イラストレーターと同じ※ドロー系ソフトであり、
・色々な拡張子を読み書きできることや ・お金がかからない ことが特徴です。
また公式HPによるダウンロードは、専用ソフトをインストールしないといけないため、窓の杜からダウンロードする方が容易です。
ちなみに ※ドロー系ソフトとは、画像をベクトルデータと呼ばれる数式で表現。画面上や印刷時に拡大・縮小しても画像が劣化しないのが特徴。
これに対してペイント系ソフトでは、画像をドットの集まりで表現しているため、画面上や印刷時に拡大・縮小するとジャギー(ギザギザ)が出たり、形が崩れてしまう。
・ドロー系ソフトの代表例  Adobe Illustrator / Ink scape / 花子(グラフィックソフト)など ・ペイント系ソフトの代表例  Windows paint / Photo shopなど

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5-3活用事例
こちらは、地形データを使い、津波の浸水予想を表したものです。
公共施設や学校などを入れることによって、安全な避難先を的確に把握することが可能となります。

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5-3活用事例
こちらは、地形データを使い、津波の浸水予想を表したものです。
公共施設や学校などを入れることによって、安全な避難先を的確に把握することが可能となります。

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5-5活用事例
こちらは、OGIS上で作成した雪崩や落石の危険箇所を示したものです。
GIS上で管理しているデータをDXF形式で出力してもらう事により、 設計図や工事図面に簡単に反映することも可能となります。

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5-6活用事例
こちらは、年間降水量と落石の危険箇所を示したものです。
落石危険箇所が、どれほどの年間降水量となっているか把握することが可能となります。

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5-7活用事例
こちらは、先ほどの防災点検箇所を3Dにしたものです。

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5-8活用事例
こちらは、海岸から附属物までの距離をバッファ円で解析したものです。 附属物点検の施設諸元の中に「海岸からの距離」という項目があり、5つに分類されています。 数が少なければ1基ずつ測ればよいのですが、1回の点検で500基以上の点検を行うため、非常に手間がかかります。
手間や効率をよくするために、QGIS上で附属物を中心としてバッファ円を描き、 バッファ円と海岸線がライン交差しているデータを抽出します。 抽出したデータをエクセル上で集計する事により、1基ずつ5分類のうちのどこに位置するかが明確となります。

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5-9活用事例
Q-GISで作成したデータをKML形式で保存すれば、Google Earthに取り込むことができます。
Google Earthに取り込むことにより、位置関係など容易に把握することができます。
こちらは弊社の附属物点検で、実際にスマートフォンなどの携帯端末などに取り込んで活用した例です。
左の画像は、航空写真上に附属物の位置がプロットされていて、アイコンに触ると附属物の情報が表示されるようになっています。
右の画像は、ストリートビュー上で附属物の位置を確認することができ、点検対象の附属物が一目で分かるようになっています。

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6 まとめ
 そろそろまとめに入りたいと思います。
・国土数値情報を一度設定してしまえば、作業が軽減できます。  資料を作成するたびに、学校、病院、などの施設データを落とし込む必要がなくなります。
・地域特有の情報を任意で付加できる  皆様の担当される地域で、特有の情報がそれぞれあると思います。これらを任意で付加できます。  これは冒頭で申し上げましたが、地元で建設業をされておられる方であれば、  「この地域のことは、我が社にお任せください!」と地域の精通度をアピールすることができ、質の向上につながると思います
。 ・誰でも情報共有できる  一つのファイルを共有すれば、だれでも情報共有でき、無限大に情報を追加できます。
・技術継承ができる(担い手育成に寄与)  GIS関連など興味をもっている若者も多いと思います。土木離れと言われておりますが、このようなツールを活用して興味を持ってもらい、  ひいては技術継承に寄与できるのではないでしょうか?
以上のことからGISを積極的に活用し、付加価値や品質の高い公共事業をみんなで作って行きたいと考えております。

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以上、ご清聴頂きありがとうございました。 (一同拍手)★


§4「こんなことも出来るGISの応用!」/



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